東京を拠点に活動する7名のアーティストによる怨念アート作品の展示と体験型ワークショップ、自分の怨念がゆらゆらと壁に映し出されるインタラクティブ映像作品、いま注目の怪談師 今仁(いまに)さんによる身近に潜む怪談話、無料で振る舞われた怨念ポップオリジナルのスパイスが効いたマサラチャイシロップかき氷、何が飛び出すのか分からない化物屋敷らしさを意識し趣向を凝らした演出などでイベントは大盛況のうちに幕を閉じることができました。
コラボレーションしたBIRTH VERSE BERTHは、作家やクリエイティブに働く方のイマジネーションを身近に感じられるイベントを定期開催するクリエイティブ集団であり、今回は本イベント企画にご賛同いただいた7名のアーティストに怨念をテーマとしたアート作品展示と参加型ワークショップにご協力いただきました。
イベント・レンジャーズは「怨念・怪談」をテーマとしたポップなアート系納涼イベント「怨念ポップ★化物屋敷」を開催するにあたり実験プロジェクト「EVENTLAB100 Project」チームを発足し、企画段階からともに打合せを重ね、テーマ設定から会場手配、集客、Webや印刷物などコミュニケーションツール制作、古民家という特別な会場を活かした照明演出、体験型アトラクション、怪談師のキャスティングなど通常のアート作品展示という枠を超えて参加者に立体的に楽しんでもらえるような演出を実現しました。
「みんなが楽しめる面白いイベント」と言っても、各々イメージすることはバラバラとなってしまいがちです。初期プロジェクト立ち上げ段階からビジュアライズされた資料で検討を進めることで、イメージ統一が図れます。また、ご出展者やご協力者を募る場合にも主催者側のテーマ設定や想いをスピーディーにストレートに感じてもらうことができます。
アーティストさんによっては活動コンセプトに合わないという理由で離脱する人もいますが、イメージの曖昧なままご出展いただき、当日「こんなはずじゃなかった」と思われては、ご迷惑を掛けることとなります。
そういった意味でも本イベント開催への想いに賛同いただき、ご協力いただいた方々は、通常のギャラリーのような作品展示形式という枠を超えて参加者を楽しませたいというユニークなマインドをもった人達です。それゆえに今後とも末永くお付き合いいただけるようなご縁を感じております。
青森県出身の甲描(きのえかく)さんは他ジャンルの作家とコラボしたライブペインティングなどでも活躍する絵師、躍動感ありおどろおどろしい水彩画を出展。タロット占いの空雨龍(くうろん)さん、権威ある先生に師事し様々な場で占い師として活躍中、来場者の運命をタロットカードで占いました。昭和を感じさせる作風のイラストレーター鈴木 旬 (すずき しゅん)さん、夏祭りを感じさせるトウフボーイのお面をはじめとしたグッズを展示販売、来場者1名限定で似顔絵イラストも描きました。埴輪作家の園部 A子 (そのべ えいこ)さん、はにワークショップではジャガイモを削って埴輪を作り、その埴輪を蒸かしておいしくいただきました。「上品で可愛い」「上品で格好いい」をテーマに制作活動をするフラワーデザイナー中澤 久美子 (なかざわ くみこ)さん、器、花、貝殻などを組み合わせ、夏らしく華やかなアレンジメントを披露。イタリア・フィレンツェのジュエリー専門学校に留学経験のあるジュエリーデザイナー浜野 美砂 (はまの みさ)さん、自身のブランド「美々(びみ)」を展開し、全国を駆け巡っています。有名アパレルブランドのグラフィックデザインも担当しているイラストレーター渡部 コウ (わたなべ こう)さん、来場者の似顔絵をイラストタッチで描きました。
本イベントのためにミックスされたオリジナルBGMに誘われるように「怨念部屋」に足を踏み入れると、壁に蜃気楼のように光る煙がゆらゆらと映し出されます。右腕を上げると自分の動きと同期して、ゆらゆらと光る煙も動き出します。
タイトルは【怨念部屋】おんねんべや。日本各地の古い民家に出現する霊界と人間界をつなぐ部屋。人を引き寄せその邪念を吸って力を得ると言われている邪悪な空間をコンセプトとしたインタラクティブ映像作品です。
【映像制作】
株式会社VISCOM
〒101-0046 東京都千代田区神田多町2-11 第19岡崎ビル3F
http://www.viscom.co.jp/
映像演出 渡辺 晃成(わたなべ てるまさ)さん
夕暮れ時、各アーティストによる体験型ワークショッププログラムも無事終了し、照明を落としたメイン会場の広い畳部屋に座布団を片手にもった人が次々と集まります。その中央には、青い光に照らされた今仁(いまに)さんの顔。
ついに開演、観客一人ひとりの目を見つめながら「誰の身にも起こりうる身近な恐怖体験」を語ります。乾いたのどを潤すためにペットボトルから水を飲む動作にも緊張感が走り、「怨念ポップ★化物屋敷」の最後を飾るに相応しいパフォーマンスとなりました。